GA4のレポート機能の1つである「リアルタイム」で確認できる数値は、現在時刻の30分前までのデータしか確認することができません。
また、確認できる指標やディメンションは以下に限定されます。
- 1分単位でのユーザー数
- アクセスされた地域(地図表示)
- デバイスカテゴリ(割合と実数)
- ユーザーの最初の流入元
- オーディエンスごとのユーザー数
- 表示回数(ページタイトルとスクリーン名)
- イベントごとのイベント数
- コンバージョンごとのイベント数
- ユーザープロパティ
「旧GA(UA:ユニバーサルアナリティクス)ではもっとリアルタイムのデータを見れたような気がするけど…」と思った方も少なくないと思います。
ではなぜ、GA4では直近30分前までのデータまでしか確認できなくなってしまったのでしょうか?
GA4にはデータ更新頻度が設定されている
なぜ当日のデータは30分前までのデータまでしか見れないのか…
それは、GA4に「データ更新頻度」が設定されているからです。
Google公式のヘルプページにも詳細が記載されているのですが、GA4にはイベントの収集と処理に一定の時間が必要となっています。
必要な時間はプランやデータの多さによってさまざまで、最大では48時間経過しないとデータが完全に処理されない場合があります。つまり、データが完全に処理されるまでは数値が変動し続けます。
無料版を使っており、データの上限プランも「標準」のプロパティであれば、処理にかかる時間は4~8時間となっています。
最低でも4時間経過しなければ、正しい数値を確認することはできません。
そんな中、「リアルタイム」の直近30分間のデータだけは現在時間から1分未満のタイムラグでデータ反映されています。
つまり、本当ならデータの処理に最低4時間かかるところ、GA4全体のデータ処理能力に影響のでない範囲内で直近30分間のデータだけ見れるように調整されているということです。
注意が必要な具体例
「リアルタイム」のデータを確認する際、注意しなければいけないことがあります。それは、「リアルタイム」以外で確認できる数値は精緻ではないということです。
例えば、ある日のお昼12時にサイトをリニューアルしたとします。その後、15時ちょうどにリニューアル後の流入の変化などを確認するとします。
まずはリアルタイムレポートで直近30分前までを確認することになると思いますが、これだけだと12時以降のデータをすべて拾うことができません。(確認できるのは14:30~15:00のデータのみ)
なので他のレポート(「集客」や「エンゲージメント」)で12時から現在までの数値を確認しようと試みることになりますが、普段より数値が大幅に減少していることが確認できます。
数値が大幅に減少している要因は、データの処理に時間がかかっているためです。
この場合、15時頃に確認したところで実際にデータが処理されているのは11時以前までのデータに限られています。(最低でも11時~15時の4時間はデータ処理の真っ最中)
という状況を理解できていない場合、「リニューアルして大幅に流入が減ってしまっている…!」と誤解して焦ってしまうケースがありますので注意してください。
処理中データというのは数値が途中段階であり、処理されたデータから順々に数値へ反映されるため、100%処理されるまでは数値がころころ変動することになります。
「リアルタイム」レポートの活用例
正直なところ使用頻度は限られますが、いくつか「リアルタイム」レポートの活用例があるのでご紹介します。
1 日限りのプロモーションでサイトやアプリにトラフィックが誘導されているかどうかを確認する
ブログやソーシャル ネットワークでの投稿やツイートがトラフィックに瞬時に与える効果をモニタリングする
サイトの新しいコンテンツや変更したコンテンツがトラフィックに影響を与えているかどうかをモニタリングする
サイトやアプリで測定コードが適切に機能していることを確認する
いずれのケースも、分析を主目的にするのではなく、瞬間的なアクセスを把握することが目的といえるでしょう。
当日のデータを限定的に見る方法
データの反映に時間がかかるということを踏まえた上で、当日のデータを「リアルタイム」以外で限定的に見る方法があります。
例えば、メニューの「集客」>「トラフィック獲得」を見てみましょう。
ここで、下図のように「+」ボタンをクリックして、「時間」というディメンションを追加します。
そうすると、下図のように時間別のデータを見ることができるようになります。
数字はそのまま「◯時」を示します。数字が10の場合は「10時台のデータ」という意味です。
あとは、データ処理が完了している現在時刻から8時間以上前のデータのみを見れば、限定的ではありますが当日のデータを確認することができます。
つまり、15時頃に確認したとしたら、当日の0時~7時までのデータは処理が完了しており確定しているということです。
正直、ここまでして当日のデータを取得したいケースは日常的には発生しないと思いますが、サイトのリニューアル直後やトラブルからの復帰直後といった場合は参考程度に確認してもよいでしょう。
基本、前日までのデータしか見ない
GA4にはデータ更新頻度が設定されているため、語解を生まないために当日のデータは参照せず、前日までのデータを参照すべきです。
例えば、朝9時頃に前日のデータを確認するというルーティンであれば、データ処理時間に8時間かかっていたとしても、前日分までのデータは完全に処理されています。
このように、GA4にはデータ処理に一定の時間がかかるということを念頭に置いて分析するとよいですね。